ケ号作戦

春休みに投稿した査読付き日本語論文であるが、
「修正を条件に掲載可」との判定ではあるものの、
様々な事情を検討して投稿取り下げを願い出ることにした。

振り返ればこの1年ほど、いわゆる業績至上主義に心を奪われ、
いささか表面的な内容で論文を投稿してきてしまった感は否めない。
特に直近の論文2本はリジェクト傾向にあり、その際には論文の
浅薄さをレフェリーから指摘されることが目立っていた。

なぜここまで焦ってしまったかといえば、職位の昇進に必要な
論文数を早目に確保してしまおうという欲があったからである。
でもある年齢まで職位にかかわらず給与は同じであるし、
職位があればそれだけ業務負担も増えるのであるから、
もう少し余裕をもって取り組んでいいのだと思う。

頭ではわかってはいたけれど行動はそれとは裏腹であった。
そのことを連休中に今一度よくよく噛みしめ省察し、
妻にもその心の内を話すことで自分なりに納得できた感じがする。

旧日本軍のケ号作戦ではないけれど、
今回の投稿取り下げを速やかに決断し実行したことで、
改めて研究上の飛躍(学術的・社会的意義と深みのある論文執筆)に
つなげることができればと思う。